主催 京大博物館+京都造形芸術大学
場所 京都大学博物館
全3日間のうちの水野担当分は、6月7日(土)(第1日目)の最初の2時間です。
受講者は、小学校の先生15名でした。
●プログラム
「五感で感じ考えよう」京都造形芸術大学 水野哲雄
身近な見慣れたものをいつもとは少し違う遊び心をもったアートの視点で感じてみます。目に見える形にすることで、具体的なものと想像的なものとの交感が、遊びと学びを結びつけて感じ・考えることの幅や奥行きを与えてくれることに気づきます。
キーワード;五感、身体感覚、具体と想像、ことばとイメージ、あそびとまなび
進行
10:00 はじめに;アートは身体全体で感じることからはじまる。
導入 身体感覚の気づき;
準備・材料;古新聞紙1部/人、色鉛筆、
WS <新聞紙をシワクチャに>;新聞紙を破らないようにシワクチャに揉み解していきます。拡げたり伸ばしたり、丸めたり、揉んだり、など、など、紙の感触を楽しみながら、段々感じが柔らかく、暖かく変化します。適当なところで隣の人の新聞紙と交換してみましょう。感触はどうでしょうか?
WS <新聞紙の文字探し>;一文字を決めて文字を色鉛筆で塗りつぶしていきます。
ここでは、<読む>と<見る>の違い、探すという見方、目の動き、などを感じてみます。二つ目の文字は、また違う色で塗りつぶしてという具合に紙面に色が埋まっていきます。
WS <新聞紙で音づくり>;最後に新聞紙からどんな音が出せるでしょうか?
楽器にみたてて擦ったり、破ったり、揉んだり、叩いたり、一気に押しつぶしたりなど、いろんな音を出してみよう。慣れてきたら発表です。ひとりづつ立って演奏よろしく音を奏でます。
次の段階は、<感じて考えよう>です。
休憩を兼ねて、キャンパスから小石を五つ拾ってきてもらいます。大きさは、手のひらに乗る程度の大きさです。かたち、色、感触などの変化あるものをできるだけ探してきてください。準備・材料;小石を5つ拾う、A4画用紙1枚/人
ws <小石を並べる>;
五つの小石をよく見てA4画用紙の上に置きます。まずは好きなように。
それぞれの置き方に理由を聞きます。「なんとなく」、「収まり具合から」、画面に対しての場の意識と石の布置関係は、あたかも石庭のようです。
1、それでは、「小さな石から大きな石へ」という関係が見えるように配置してください。
2、次に、「背の高い石から低い石へ」の関係が見えるように配置。
3、「濃い色から薄い色へ」の配置です。
4、最後に各自で何らかの関係を決めて配置してください。
さて、それぞれの石の配置からどんな関係にあるかわかりますか?
ここでは、感覚的なものとルールというか、意識というか、人為的なかかわりといったことを考えて見ます。アートはなによりも人為性にあります。それは、石を規則的に並べただけでも人為性を感じ取ることができます。
最後の段階は、物理的な重力を感じて考えようです。
ws <ハリガネマンでバランスポーズ>
準備・材料;30㎝ほどの結束線(ハリガネ)3本/人、A4画用紙1枚/人、
三本のハリガネでヒト型をつくります。
一本目で頭と胴体を、二本目で両腕と肩を、三本目で両足と腰です。
次に、関節をつけます。下から、足首、膝、腰、肩、肘、手首、そして首です。
このヒト型をバランスをとって立たせましょう。
コツは、土踏まずを軽くつくることです。そして、ゆっくりと静かに前後のバランスをポーズでとることです。その際、必ず関節部を持って変形させます。
うまく立ったら、手に鉛筆や消しゴムなどを持たせてみよう。
さらに、実際の人間は、頭が重いです。頭部に小石をはめ込んで立たせてみてください。チャレンジです。
バランスよくたったヒト型は、その仕草に緊張感があって、とても美しいものです。合理性や目的にあった形は、スキがありません。


まとめ;
アートは、<感じること>と<知ること>を深める人間の行為。
Body&Brain;身体と頭のキャッチボールの大切さ。
ARTはHEARTのかたち付け、HEARTがつながるとEARTHがみえる。
意の作用。五感から六根へ(耳鼻舌眼身意)「意」は、息、気に通じ意識として頭を刺激する。
12:00 終了
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